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宰相の条件―今、日本に必要な品格と見識 (祥伝社黄金文庫)

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2007.10.31 Wed
偽装大国日本
 何も騒ぐほどのことはない。どこでもやっている。多くの食品関係者がそう思っているに違いない。もちろん程度の差はあるのだが、中国を他山の石と見ていられないほど、日本が偽装大国であることが分かってきた。
 ミートホープで始まった食品偽装の問題。その後、「白い恋人」「赤福」「比内地鶏」「船場吉兆」など枚挙にいとまがない。それぞれの企業に消費者のために食品を生産しているという意識が欠如しているのが、全てに共通した特徴だ。比内地鶏の会社は知らないが、他はすべて同族企業であるのも共通だ。
 同族企業では、経営者とその家族が高い給料をもらい、一般社員の給与が低く抑えられているので、社員が不満を持ちやすいという体質もあるようだ。また経営者が企業が社会的な存在であるちう意識が薄いのが同族企業の二代目以降の特徴だ。いわゆる苦労知らずの経営者が多いということだ。
 跡継ぎのオーナー社長は専制君主であり、誰もが意見を申せない存在になっている場合が多い。法令遵守や危機管理など日常業務で役に立たないことを、従業員が怖い存在の経営者にわざわざ提案するはずがない。
 そこをくみ取って日頃から、社員が意見を言いやすい環境を作っておくのが、経営者の役割なのだが、部下の意見=反抗と見てしまう人が多いのがオーナー社長の性なのか、それとも無能さ故なのだろうか。
 一番の問題は、オーナーが金儲けのためならば、消費者を騙しても構わないと思っているところだ。表示と中身が違うのは、単なるJAS法違反ではなく、詐欺だと思うのだが、役所の取り締まりは今ひとつ甘いと言わざるを得ない。偽装を行ったのが地域の有名企業と言うことであれば、保健所の追求も甘くなるようだ。
 恐らく偽装表示は一部の企業にとどまらず、日本全国に及ぶだろう。ある程度の企業であるから、内部告発で偽装が発覚するが、家族経営の菓子店などは、内部で何が行われていても分からないから、発覚する可能性は少ない。
 もしも日本中が、偽装や使い回しをせずに、食品加工や生産をすればどうなるのだろうか? 恐らく生産コストが上がり、人件費を削らざるを得なくなるだろう。一番に削られるのはパートなどの時間給の社員だ。ほとんど働かない家族を役員にし報酬を払い、ごっそりいただくのがオーナー経営者のやり方だ。
 やはり、どこか不公平感がある。経営者はリスクをとるため、従業員よりも高い報酬をとるのは分かるのだが、家族を役員に仕立てて、報酬を払うのはいかがなものか。この手法は、株式配当がない福祉法人や学校法人でよく行われている。いわゆる組織の私物化が日本全国で充満している。
 偽装は利益優先の経営者によって起こるのは分かるが、消費者にはまったく問題がないのだろうか? 
 比内地鶏の問題では、消費者がブランドにこだわりすぎるということが、偽装を生む原因になったのではないか? 味よりもブランドが価格を左右する消費社会。
 何処か倒錯しているような気がする。
 今回の偽装発覚の多くはは、内部告発者が法律で守られるようになり、告発がしやすくなったことが影響している。告発の理由は、社会正義から私怨まで様々だろうが、企業が法令遵守を徹底していればこんなことは起こらない。
 経営者が企業が社会的な存在であり、消費者に対して責任を負っていることをもう一度頭にたたき込む必要がある。

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テーマ:これでいいのか日本 - ジャンル:政治・経済
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