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虚像に囚われた政治家 小沢一郎の真実

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宰相の条件―今、日本に必要な品格と見識 (祥伝社黄金文庫)

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2007.10.18 Thu
ダライ・ラマの勲章
 アメリカ議会が、チベット亡命政府の最高指導者ダライ・ラマ14世にアメリカ最高の栄誉である議会金メダル(議会名誉黄金章)を授与した。信仰の自由を重視するアメリカ政府は、中国政府の反応を気遣いながらも間接的に中国政府の弾圧を非難する形となった。
 授与式にはブッシュ大統領夫妻も出席し、自由主義陣営の盟主としての存在感をアピールしたが、なぜ今、何の目的のためにという疑問が残る。
 ダライ・ラマは今年で72歳になる。人生の大半を外国で過ごし、国際政治の中で翻弄されてきた。その原因は、1949年、毛沢東率いる中国軍によるチベットへの侵略行為だった。
 これによってチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマはインドに亡命を余儀なくされ、その後、現在に至るまでインドを本拠地として、世界的な平和活動に従事している。ダライ・ラマを中心としたチベット亡命政府は中国政府に対して、中国からの独立ではなく、穏健に中国にとどまりながらの高度な自治を求めているが、中国は無視し続け、漢民族との同化政策を進めている。ロシアが今は独立しているバルト三国にとった政策と同じだ。
 最近では、青蔵鉄道が開通し、旧中国国内からチベットへ鉄道で行けるようになったが、これによって同化政策に弾みがつき、チベット固有の信仰に根ざした生活の破壊が進むことは確実だ。脳天気にも、鉄道旅行に行ってみたいと考えている日本人がいたとしたら、もう少しチベット問題について学び、いかにチベット民族が苦しみを味わっているかを知るべきである。(それを知れば乗りたくないと思うはずだが)
 基本的に宗教を否定する中国共産党の一党独裁と仏教に根ざした生活を送るチベット民族とがうまく融和できるはずがない。特にチベット仏教の修行者は出家し、師に帰依し、生活の全てを投げだし修行する。(例外があるが)日本の儀式化した仏教とは異なり、チベット仏教には悟りを開くために本気で努力する伝統が続いている。少なくともチベット侵攻までは、そうだったが、侵攻後の中国共産党の支配により、労働しないで、一般人を導く僧侶が厳しく弾圧された。
 その結果、チベット仏教の高僧は国外へ亡命することになる。それよって西洋の真理探究者がチベット仏教の叡智を直接伝授されるという大きな恩恵を受ける機会を得たのも事実だ。とても皮肉な運命だが、この現代にいまだに悟りを開く文化が存在し、実際に悟りを開く人がいるという事実は多くの思想家に影響を与えた。
 私自身にとっても、人々を悟りに導くことのできる宗教体系が存在していたことに大きな驚きを覚えた。師から師へと伝授される教えは仏教という形をとりながらも、普遍的な透明で透明なエッセンスを持っていて、「悟り」と「慈悲」という今は死語になった言葉の重要性を再認識させてくれた。
 チベット仏教は世界に広がったが、そのルーツであるチベットで宗教を否定する人たちによって管理され、仏教が衰退するとしたら、人類はまた一つ重要な叡智と文化を失うことになるかもしれない。実際に危惧されるようなことがダライ・ラマに続く地位の宗教指導者パンチェン・ラマの後継者指名(転生認定)で起こった。
 1995年、ダライ・ラマによって後継者に指名されたゲンドゥン・チューキ・ニマ少年は、指名(認定)されてすぐに家族ともども行方不明となったが、その後中国政府の仕業と判明した。中国政府は独自にニマ少年とは違う後継者を指名しているが、転生という極めて宗教的な行為に中国共産党率いる中国政府が介入したために、転生認定という極めて宗教的な行為の権威を貶めることになった。
 チベット仏教の伝統を担うダライ・ラマ14世が亡くなれば、後継者問題はパンチェン・ラマと比較にならない非常に大きな問題となるだろう。もしも、パンチェン・ラマと同じように中国政府が介入しチベット民族が選ばないダライ・ラマが誕生したとしたら、チベットの人たちの怒りは頂点に達するはずだ。しかし、悲しいことに、その頃には中国の同化政策が功を奏して、チベット民族が少数派に陥っている可能性もある。
 歴史を長いスパンで見れば、文化や民族固有のアイデンティティは、異文化と融合したり、異文化によって席巻されたりするものなのかもしれない。
 たとえ、今まではそうだとしても、この21世紀において、人類の貴重な叡智が息づくチベットの地が、侵略され続け、信仰の自由が保障されないことを容認することはできない。
 アメリカが今、民主主義・人権問題で功績のあった市民を対象とするメダルを贈った背景には、より人権を重視する民主党が議会の多数を握っているという事情がある。ただそれだけではなく、人権外交が中国をけん制するため武器であり続けるために、中国のアキレス腱である人権問題を世界に再認識させることを狙ったのだ。
 ダライ・ラマの受賞を純粋に喜べないのは、そのようなアメリカ政府の政治的な思惑が絡んでいるからだ。

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テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済
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